箒を持ったお坊さん

こんにちは。いよいよ暮もおしせまりましたね。ギャラリーでも餅花を作ったり、お鏡餅やしめ縄の手配をしたりと、お正月に来られるお客様をお迎えする準備をしています。そして、暮といえば大掃除ですね。

 

今回は掃除にちなんでこんな作品をご紹介します。

拾得 酒器 

箒を手に持っているお坊さん‥これは「拾得」(じっとく)という人なんですが、その人を題材にした酒器です。

拾得という人は中国唐代の禅僧だといわれており国清寺の豊干という禅師に拾われ、寺に住まわせてもらったことから「拾得」という名がついたそうです。

拾得は寒山(かんざん)という禅僧とともに国清寺の食事係となりましたが、奇声をあげたり、大笑いしたり、放歌高吟したりして、他の僧をしばしば困らせたといいます。

しかし、仏教の哲理には深く通じていたといわれています。

そんな僧らしくない、一風変わった生き方に魅かれるのか、中国や日本の多くの画家が「寒山・拾得」を画の題材として描いてきました。

拾得 徳利 

 

 

拾得はこの絵のように箒を持った姿で描かれていることが多いです。

 

僧という枠にとらわれず、寒山とともに自由に寺を出入りしたといいますが、

時には箒を持ってお寺の境内でも掃除していたのでしょうか。

その表情を見ていると、こちらまでほほえましい気持ちになってきます。

中国の唐代という時代にまで思いをはせ、普賢菩薩の化身といわれたこの拾得の姿を見ながら、お酒を飲むのも風流ではないでしょうか。

(山本 雄次作 拾得 ・ 徳利 拾得 ぐい呑)                                      

 

さて、今日で10月から始まった今年のブログは最後になります。見ていただいた方、ありがとうございました。

そして、来年も皆さんに見ていただけるよう、楽しいブログにしていきたいと思っています。来年もよろしくお願いします。

また、ギャラリーは年中無休ですので、大みそかも元旦も開けております。

ぜひぜひ、お越しください。

では、皆さん、よいお年を。 

 

 

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